サンディングとはどんな作業のことを指すのですか?

サンディングとは

2023.05.11 追記・更新

サンディングとはフローリング独特の再生方法です。ベルトマシンを使用し、フローリング表面の古い塗膜やキズなどで痛んだ表面を0.5mm~0.8mm程度削り、フローリングの新しい面を出した後、オイルフィニッシュやウレタン塗装などの再塗装によって新品同様に生まれ変わらせる作業のことです。

サンディング作業

1.作業前、フロアの点検、作業準備

まず、フローリングの状態を把握するため、フローリングの点検からはじめます。傷の深さ、劣化の程度、退色による色あせなどを確認し、場合によっては部分的に張替えが必要か、フローリングの隙間が空いている場合はパテ埋めが必要かなど、修復が必要な箇所を特定します。

2.サンディング(粗掛け)

ベルトサンダーを使用し、フローリング表面の古い塗膜や傷を取り除くために、粗い番手のペーパーを使用しサンディングを行います。この時に使用するペーパーはG36番やG50番といった砥石の大きい非常に粗い番手を使用するのが一般的です。

3.サンディング(中掛け)

粗掛け終了後、ペーパーの番手を細かくし、フローリング表面をなめらかに仕上げます。ペーパーの番手はG60番といった荒掛けよりも細かい番手が使用されます。一気に目の細かい番手にジャンプしてしまうと、粗掛けでできた深い研磨傷を消しきれません。粗掛けで出来た深い研磨傷を消し去るのが中掛けの目的ですので、適切な番手のペーパーを選択して作業しましょう。

4.パテ処理

次の工程は仕上げ掛けになりますが、フローリングの隙間を埋めたい場合は、仕上げ掛けの前にパテ処理を行います。ホームセンターなどで現場と同じような色合いのパテを購入しても使用しても良いですが、市販されているパテは乾燥後に痩せてしまったり、乾燥に長く時間のかかるものが多いです。Bonaミックス&フィルプラスを使うと、現場で発生したフローリングの研磨粉と混ぜ合わせてパテとして使用できます。速乾性で3mmまでの隙間に対応しますので便利です。

5.サンディング(仕上掛け)

中掛け終了後、ペーパーの番手をさらに細かいものに変更し、フローリング表面をより平滑に、滑らかに仕上げます。ペーパーの番手は中掛けよりもさらに細かいG100などが使用されます。

    6.サンディング仕上げ磨き(ライトサンディング)

    ベルトサンダーを使用したサンディング仕上げ掛け終了後、塗装前の仕上げとして、ポリッシャーを使用してサンディング仕上げ磨き(ライトサンディング)を行い、さらにフローリング表面を滑らかに仕上げます。フロアはベルトマシン、壁際はエッジャーと、フロアと壁際は違うマシンでサンディングしていますので、サンディング仕上げ磨きによってマシンの違いから生じる研磨面の違いを木につに均します。ペーパーはサンディング仕上げ掛けよりもさらに細かいG120番などが使用されます。

    塗装作業

    7.プライマー塗布 or オイルフィニッシュ塗布

    ウレタン仕上げの場合には、フローリングの素地にはトップコートではなくプライマーを塗布します。トップコートはとても強く硬い塗膜を形成しますので、柔らかい素材であるフローリングの素地に直接塗布してしまうとサイドボンディングのリスクや、トップコートが割れてしまう、といったリスクを回避するために一番最初にプライマーを1~2回塗布します。

    オイルフィニッシュ仕上げの場合は、フローリングの素地に直接オイルフィニッシュを塗布します。

    ウレタン仕上(プライマー塗布)

    オイルフィニッシュ仕上

    8.層間研磨(ライトサンディング)

    ウレタン仕上げの場合、プライマーを1~2回塗布した後、ポリッシャーを使用して層間研磨作業を行います。サンディング後に滑らかに仕上がっていたフローリング表面にプライマーを塗布すると、木が塗料を吸い込んで繊維が起き上がる”毛羽立ち(ケバダチ)”が発生し、フローリング表面がザラザラになります。この毛羽立ちを取り除くため、層間研磨作業を行います。ペーパーの番手は120番~240番といった非常に細かい番手を使用し、表面の毛羽立ちだけを取り除きます。

    粗い番手のペーパーを使用すると、毛羽立ちと一緒にせっかく塗布したプライマーも削り取ってしまいます。毛羽立ちの発生量に対してペーパーの目が細かすぎると、十分に毛羽立ちを除去しきれず、仕上がりに影響する場合があります。現場の状況に合わせて、適切な番手で作業することが重要です。

    8.トップコート塗布

    層間研磨後にはトップコートを塗布します。トップコートは通常2~3回塗布します。

    トップコート2回仕上げの場合、トップコート1回目→層間研磨→トップコート2回目→終了。トップコート3回仕上げの場合、トップコート1回目→層間研磨→トップコート2回目→層間研磨→トップコート3回目→終了、というように塗装と塗装の間に層間研磨を行うのがフローリング塗装仕上げの基本です。ペーパーの番手は先ほどと同じく180番~240番といった非常に細かい番手が使用されます。

    9.作業終了

    トップコートが乾燥したら、作業終了です。ウレタン仕上げの場合は、弊社が使用しているBona社のトップコートはすべて水性のため若干の樹脂臭がする程度で、強烈な溶剤臭のような気になるような強い臭いはほとんどありません。ただ、臭いの感じ方にはかなり個人差がありますので、必要に応じて作業後は十分に換気して下さい。