ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2024ご来場御礼

2024年11月20日(水)~22日(金)まで、東京ビッグサイトにて開催されましたビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2024に出展しました。開催期間中には、たくさんのみなさまにご来場いただき、ありがとうございました。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。

今回は、ライターの篠さんにお越しいただき、取材していただきました。以下、篠さんの文章を持って、展示会出展の報告とさせていただきます。

ビルメンフェア Bonaブースでフロアリノベーションを知る

ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2024
ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2024

11月20日-22日に東京ビッグサイトで開催された、ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2024に行ってきました。今回の訪問目的は、スウェーデンに本社を構えるBona社の出展ブースです。

Bonaのメンテナンス技術は、古く傷んだ床でもリノベーションによって、まるで新品同様の床に生まれ変わらせるというもの。傷んでしまった床は、剥がして新しく張り替えるものと思っていましたが、これを根本的に覆している、そんな技術で、家屋から大型施設まで、Bonaのリノベーションは世界中の様々なところで導入されているそうです。

Bonaブースは通路側の目立つところにロゴが掲出されていたので分かりやすくたどり着くことができました。

フローリングの再生技術

もともとBonaを知ったきっかけは、フローリングのリノベーションでした。古く傷んでしまったフローリングを、リノベーションによって色見や表情を変え、新しく生まれ変わらせる技術を知ったときに、張り替えしなくてもこんなことができるのか、と非常に驚いたことを今でも覚えています。スウェーデンの会社ということで、北欧のインテリアやライフスタイルからも想起されるイメージが木材の雰囲気そのままだったことからとても印象深く残りました。

弾性床材とは?

しかし今回Bonaブースではフローリングではなく、弾性床材と呼ばれる素材のフロアリノベーションをメインに紹介されていました。展示会がビルメンテナンス業界向けでしたので、より市場規模が大きく業界の需要もあるだろうとの理由から、ここ数年は弾性床材にフォーカスしたブースにしているとのこと。

弾性床材という聞き慣れない言葉に戸惑ったのですが、塩ビ・ラバーなどと聞くとなんとなくイメージがしやすいかもしれません。割れやひびができにくく、丈夫で汎用性が高いことが特徴の素材で、人の往来の多いところ、コンビニやショッピングセンターなどといった商業施設や、病院、駅、空港、電車の床などで使われているとのことです。普段は床を注視する習慣がないのですぐにはイメージできませんでしたが、実はかなり多くの生活場面で、私たちは弾性床材に触れていることが想像できます。

なおこの弾性床材は、英語でレジリエントフロア(Resilient Floor)と呼ばれており、レジリエントは「弾力性」「柔軟性」「回復力」といった意味を指しています。

リノベーションのビフォー・アフターを実際に見てみる

展示品の中に、リノベーション前と後の床材を比較するものがありました。汚れが蓄積したり染みついてしまって劣化している床材のサンプルを見ると、こういう床ではつまずいて転びそうになったり滑ってしまったり、歩いていてびっくりする場面は比較的よくあることを思い出しました。

これに対しBonaの「レジリエントソリューション」を施してキレイに変貌を遂げていた床材、この対比は実際に見るととても分かりやすく、「新品同様に床が生まれ変わる」というBonaの表現のとおり、本当に真新しい別物の床材にしか見えませんでした。

少し触ってみると、滑らかさはあるものの転んでしまうような危なさを感じるようなツルツル感ではなく、程よい引っ掛かりのあるテクスチャーになっていることが分かります。

「レジリエントソリューション」の工程を簡単にまとめると、床材の汚れをまずウェットサンディングで落としてから洗浄。次にカラーペイントを塗布、最後にクリアコーティングするだけ、とのこと。色を変えずそのまま活かす場合には、カラー剤は使わず、きれいにクリーニングした床にクリアコーティングだけでもよいそうです。

カラー剤の塗布サンプルを拝見したところ、2-3mm厚の弾性床材の表面に、0.1mm弱の塗装を施しただけで、これだけで元の素材を感じさせない、こんなにキレイな床に変わるものなんだ、と目を疑うほどでした。

Newカラーコレクション

最新のカラーバリエーションはグレー・ベージュ系のアースカラーでの展開で、詳しくは配布されていたカタログで見ることができました。同系色なのに細かく色味の異なる15色には、メーカーとしてのこだわりがつまっているように感じます。微妙に濃淡・明暗が違うバリエーションに、個々の好みやイメージに対する選択肢が広げられるように思いました。

  • Newカラーコレクションパンフレット

上記画像をクリックするとパンフレットがご覧いただけます

アースカラーのような色調は最近の流行色とも捉えられがちですが、自然由来ということから気持ちを安定させ、仕事場などで使われると生産性の向上にも影響をもたらしてくれる効果もあるそうです。

カラーチップ

個人的に気になったのは、カラーチップというフレーク状の素材です。カラーペイントの上にチップを散りばめると1色だった床に色見が足されオリジナルのフロアデザインに変わるというものです。カラーサンプルの上にチップを少し乗せてもらったら、一気に華やかさが増すのが見て取れました。海外の施設にありそうな遊び心ある床といったイメージですね。汚れや傷がついてしまっても、チップで形成されたデザインに紛れて目立ちにくいという効果もあるそうです。

イメージがつかみやすい「ビジュアライザー」で遊んでみる

壁面に大きく掲示されていた「ビジュアライザー」のサイトにアクセスしてみました。複数の施設の画像が出てくるので1つ選択します。床の色をBonaのカラー剤から選んで変更することができるようになっていて、リノベーション後のイメージが表示されます。さらにチップを乗せてデザインの検証をしながらイメージを膨らませることも。

導入のきっかけとしてはもちろん、お試しで遊んでみるのも楽しいツールだなと感じました。ちなみにこのサイト、自分で持っている画像をアップロードして検証することもできるそうなので、床でお悩みの施設や部屋の写真を撮ってアップし、色を変えて見てみるといいのではないでしょうか。

元画像
カラー選択・変更
チップ選択
チップ量調整

Bona フロアビジュアライザー

Bonaの日本代理店 株式会社オカベの取り組み

ちなみにこのBonaの製品・技術の取り扱いは、富山に拠点を置く株式会社オカベが日本代理店を務め、フロアリノベーションの施工だけにとどまらず、技術セミナー、プロダクト販売などBonaの日本展開を一手に引き受けられ幅広い活動をされています。

Bonaはフロアリノベーションを通して、地球が人々にとってよりよい場所となるようなサステナビリティの概念を経営理念の中核とし、100年以上活動を続けている会社です。

オカベも、そうしたBonaの精神に則り、環境保全への取り組みを積極的に行っています。国連が掲げるSDGsの17項目のうち10項目に注力し、その1つ1つに対し具体的行動目標を策定し活動されているとのことで、会社全体で地球環境への配慮や意識を高く持たれていることが分かります。

Bonaの技術

劣化によって滑ったりつまずいたり怪我につながる可能性もある床。我々が普段何気なく歩いている施設のフロアも、永久的なものではなくメンテナンスが必要になることを思うと、こうしたリノベーションの技術の存在が、もっと知られて取り入れられていくといいなと感じました。

キレイな施設としてのイメージの一新に加え、安全面での強化も図れる、なのにあくまでも元の素材の上に施されるリノベーションであること。他にありそうでない、Bona独自の技術は時代を先取りしていると言っても過言ではないかもしれません。

張り替え工事なんて大々的なことをするのはちょっと、でも床の劣化が実は気になっている、というようなお悩みをお持ちの施設関係者の方は、1つの手段としてこのBonaのリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。

取材・文 : 篠 三惠子