サスティナビリティを考慮した北欧発最新フロアリノベーション

床材の劣化や傷みに関するお悩みに
張り替えの前に、リノベーションという選択肢をご検討ください!

スウェーデンBona社の日本代理店を務める弊社は、これまでフローリングに関する記事を多く書いてきました。今回はこれまでとは違い、「床のお悩み」の対象はフローリングではなく、弾性床材です。

床材はその用途によって「住宅用」「非住宅用」に分類されます。日本の住宅は玄関で靴を脱いで上がるので、「住宅用」には室内履き用のフローリングが多く使用されています。一方で、「非住宅用」、つまり、商業施設、空港、イベントホール、病院や老人保健施設など、土足で歩行し、かつ人の往来が多い場所では、丈夫で耐久性にすぐれ、耐水性にもすぐれた弾性床材が多く使用されます。

弾性床材は、非住宅市場では、もっとも多く使用されている床材であり、市場規模はフローリングの何倍もあります。そのため、お困りの方も多いのではないかと思います。

弾性床材のリノベーション?

現在市場に出回る床材は、主にその素材によって「非弾力性」、「弾力性」、「カーペット」に分類されます。非弾性床材とは、セラミック、木材、ラミネートなど。弾性床材は、ビニール、ゴム、リノリウム。カーペットは繊維でできた床材です。

今回話題にあげた弾性床材は、英語ではレジリエントフロア(Resilient flooring)と言います。国内の業界によっては、この弾性床材をハードフロアと呼ぶ場合もあるようですが、今回は弾性床材(=Resilient flooring)として話を進めていきたいと思います。


これらの写真の床は、床材の継ぎ目が浮いてしまっていたり、印刷層が摩耗したり、床材が変色してしまっています。このようになってしまった床は、「床材を張り替える以外に方法がない」と考えられてきました。しかし、「Bonaレジリエントソリューション」では、既存の床材を張り替えることなく、まるで新品のようにフロアをリノベーションすることができます。

百聞は一見に如かず。
実際に「Bonaレジリエントソリューション」でリノベーションした床の写真をご覧ください。そのすばらしい可能性をお分かりいただけるかと思います。

現状の床材を活かして新しいフロアへリノベーションする「Bonaレジリエントソリューション」

床が劣化し張り替え工事を検討する場合、新しい床材の購入、工事にかかる費用、工時日程などの課題が最初に浮かぶでしょう。もう一つ忘れてはいけないのは、古い床材の廃棄における工程と費用です。

課題の多い張り替え工事に対し、Bona社が開発した「Bonaレジリエントソリューション」は、これらの課題を解決に導くまったく新しい技術として、世界中の企業や施設から注目されています。

傷んだ既存の床の上から塗装することで、まるで新しい床材のように見た目を、さらに機能性をもアップデートすることができます。

しかもその作業工程は至ってシンプルです。

  1. 既存床に堆積した汚れやワックスなどを取り除く
  2. 床表面を研磨する
  3. コーティング剤を塗布する

このシンプルな工程で、床はまるで張り替え工事をしたかのように新しいフロアデザインへと生まれ変わります。

この画期的な「Bonaレジリエントソリューション」は、世界各地の数多くの施設で採用されており、その実績は年間数十万㎡をゆうに超えています。

フロアリノベーション技術が環境を守る

Bonaレジリエントソリューション」は、既存床材を廃棄せずに活かすので、地球環境に優しく、サステナビリティの観点からも高い効果を発揮できることが多数の研究結果からも認められています。

廃棄物の削減・資源保護

張り替え工事では、古くなった床材を剥がすので、大量の廃棄物が発生します。

リサイクルも焼却処分もできないため、産業廃棄物としてゴミ処理場に運ばれ堆積し、環境汚染の一因となってしまいます。さらに張り替えるための大量の新しい床材も必要となります。

しかし「Bonaレジリエントソリューション」は、既存の床材をそのまま利用するため、産業廃棄物の処理も、新たな床材も必要ありません。

二酸化炭素排出量の削減

新たな床材を使用して張り替え工事を行う場合、二酸化炭素は1㎡あたり11.42kg排出されます。

Bonaレジリエントソリューション」では、二酸化炭素排出量は1㎡あたり1.14kg。実に約90%もの二酸化炭素排出を抑えることができます。
IVLスウェーデン環境研究所とBona社との共同研究の結果

省エネ効果

Bonaレジリエントソリューション」を採用すると、既存床材を継続的に使用することになります。そのため、一次エネルギー資源の使用量削減にも大きく効果を発揮します。

原材料・資源生産・移動・運搬などに必要とされるエネルギーとして、床の張り替え工事で必要となる一次エネルギーは200MJ/㎡となるのに対し、「Bonaレジリエントソリューション」は20MJ/㎡と、約90%のエネルギー使用量削減効果を生み出します。
IVLスウェーデン環境研究所とBona社との共同研究の結果

フロアの高寿命化

既存の床材をそのまま使い続けるということは、従来であれば寿命を迎えていた床材を、さらに長く使用できることを意味します。「Bonaレジリエントソリューション」は、フロアの見た目を新しくするだけでなく、耐久性も大幅に向上させます。特にBonaのコーティング剤は、耐摩耗性に優れているため、より長くフロアを保護、さらなる長寿命化へ貢献します。

ワックスによる有害物質の排出抑制

フロアの美観維持や、摩耗や傷から床材を保護するために、定期的にワックスを塗布している施設が多いのではないでしょうか。しかしワックスは定期的にはく離作業を行う必要があり、そのはく離作業時に有害な化学廃液を大量に排出します。このはく離廃液の環境への負荷や環境汚染は、フロアワックス業界の大きな課題となっています。また、作業者にとっては有害化学物質を取り扱うことによる健康被害だけでなく、作業時の転倒事故など、作業環境の危険性も問題視されています。

Bonaレジリエントソリューション」を採用すれば、定期的にワックス塗布する必要がなくなるため、このような課題も払拭されます。

細菌やバクテリアを抑制し衛生的なフロアを維持

Bonaレジリエントソリューション」で床面をコーティングすると、継ぎ目のないシームレスな床を実現できます。床材の継ぎ目に潜む細菌やバクテリアの発生を抑制し、安全性だけでなく施設の衛生面も向上します。

リノベーションでコストカット!

既存床材をそのまま利用することで、資材費、作業人件費、廃材処理費など、多くの費用を削減できます。「Bonaレジリエントソリューション」では、張り替え工事と比較して、約50%のコストカットを可能にします。さらに従来の工事に比べて工期も短縮。施設の営業面での影響も最小限にとどめることができます。

Bona レジリエントソリューション 施工方法

Bonaレジリエントソリューション」の施工方法に、「クリアリノベーション」と「カラーリノベーション」の2つのパターンがあります。

クリアリノベーション

床材の印刷層にまで達する深い傷や床材に激しい摩耗がない場合は、クリアーリノベーションで対応できます。※既存床材のデザインはそのままです。

ウェットサンディング
①ウェットサンディング
すすぎ洗い
②すすぎ洗い
Bonaピュア塗布
③コーティング塗布

カラーリノベーション

床材に深い傷や摩耗が見られる場合や、ジョイント部分に大きな隙間が発生している場合など、床材のリペアが必要な場合、または既存床材のデザインを変更したい場合は、カラーリノベーションで対応します。

①床材のリペア
②ウェットサンディング
③すすぎ洗い
④カラー塗布
⑤カラーチップ散布
⑥クリアーでコーティング

Bonaレジリエントソリューションの対象床材

Bonaレジリエントソリューション」の対象となる床材は以下の通りです。

  • ビニールコンポジションタイル(VCT) / PVCタイル・Pタイル
  • 高級ビニールタイル(LVT)
  • ビニールシート床材 / 長尺塩ビシート
  • テラゾー
  • リノリウム
  • ラバー
ビニールコンポジションタイル(VCT)
高級ビニールタイル(LVT=Luxury Vinyl Tile)
ビニールシート床材
テラゾー
リノリウム
ラバー

フロアリノベーションを通じてBonaが行っている環境活動

Bonaは1919年の創業時より、よりよい世界の実現に向け、一貫してサステナビリティの重要性をうたい続け成長を遂げてまいりました。

SDGs

2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」であるSDGs。17のゴールのうち、Bonaでは3つに注力しています。

EUグリーン・ディール

欧州委員会は、気候変動や環境問題の課題克服のため、クリーンな循環型の経済に移行し、資源の効率的な利用を増やす取り組みとして「EUグリーン・ディール」の宣言をしました。

  • 2050年までに温室効果ガス純排出量削減
  • 資源利用から切り離された経済成長
  • 人も場所も取り残さない