フローリングの割れ・ササクレ

フローリングの割れやササクレの原因は大きく分けると3種類に分かれます。
フローリングの変形によるもの
加重によるもの(構造含む)
外的要因によるもの

フローリングの変形によるもの

フローリングの変形による割れ

原因

現在使用されるフローリングの多くは、集成・積層など様々な方法で作られ、形状変化がしにくいようになっています(無垢は除く)。しかし木である以上、水の通り道である導管が必ずあり、水分の加減で伸び縮みが発生します。過度に水分を床面に落として長時間放置した場合に、この習性により板が伸張し、中割れや反りを発生する場合があります。

対処方法

床面に水をこぼした時は、速やかに拭いて取り除くようにしましょう。
また清掃時に水を使う場合でも、5~10分放置して乾かない量の水分は木に影響を与える恐れがありますので、使用する水の量には十分に注意してください。

加重によるフローリングの割れ

加重によるフローリングの割れ

原因

フローリングは、4辺のうち2辺が雄サネ、残りの2辺が雌サネで構成されており、貼る際には、雄サネと雌サネを組み合わせて貼ります。このサネ継ぎの部分に強いストレスがかかると、荷重に耐え切れなくなり雌サネ部分に割れが発生します。

フローリングの構造・サネ継ぎの部分

雌サネ部分が割れるため、右側だけ・左側だけというようにほとんどの場合、規則性が見られます。

主な発生事例として

根太がない場合
床下地が捨板のない根太転がしで施工され、フローリングジョイント部の下に、根太がない場合(古い物件に多く見られます)

フローリングの下に空間がある場合
部分的に固定不良個所があって床が浮いており、フローリングが動く隙があるため、破損する。床鳴り・踏むとブカブカする・叩くとその個所だけ軽い音がするなどで確認できます。

過去に数回研磨を行っている。 
床表面を削るサンダ掛けリフォームを何度も行ったことで床そのものが薄くなっており、特に床表面の雌サネ部分が薄くなることでフローリングの強度が低下したため。

経年変化 
経年とともにフローリングが痩せで、サネ継ぎ部分に遊びが発生している。

対策

定期的に床面をチェック(目視・叩く・踏む等)しましょう。割れが発生した場合には、板そのものを交換する必要がありますが、割れが発生していなければ床表面から固定することで補修が可能です。

外的要因によるフローリングの割れやササクレ

外的要因によるフローリングの割れやササクレ

原因

養生テープ、ラインテープ、ガムテープなど、接着能力の高いものを床面に貼り、無理に剥がしたためにフローリング表層がテープと一緒に剥がれてしまうというのが、ササクレの代表的な発生原因です。

対策

床面には極力テープ類を貼らないようにし、貼っても長期間放置せず、使用が終わったらすぐに剥がすようにしましょう。もしくは、マスキングテープを下に貼ってから、目的のテープを貼るようにすると、このような事故を防ぐことができます。

スポーツフロアのフローリングの表面は、ポリウレタン樹脂塗料で覆われています。塗り替えをしてからすぐにラインテープを貼った場合、十分に塗料が硬化しておらず、テープを剥がす際に塗膜層も一緒に剥がれてしまう場合があります。また、長期間に渡って塗料を塗り替えていない場合は、表面塗装が寿命を迎えており、フローリング表層がテープと一緒に剥がれてしまう場合もあります。

特に体育館の場合、現場でウレタン塗料を塗装して仕上げられている場合が多く、このウレタン塗料は約10年で劣化し、テープを剥がしたときに上記写真のような状態になる場合があります。このような現象が起きる前に、ウレタン塗装を再度行っていれば防げます。ワックスとウレタン塗料を混同されている方をよく目にしますが、この間、ワックス清掃を何度行っていても、このウレタン塗料の劣化は防げません。新築以降、ワックスでスポーツフロアを管理し、新築時のウレタン塗装が寿命を迎える前にウレタンの再塗装を行おうとしても、一度ワックスが全部剥がしてからでないと、密着不良を起こす場合があります。しかしこのワックス剥離作業は、木を傷めるリスクが非常に高いため、サンディングによってすべて削り取らなければならないケースも見受けられます。

継続的に使用する場合は、専門業者に発注し、床面にラインを描く。床面への影響・テープ代などを考えると、コートラインを描いた方が経済的です。


フローリング割れ・ササクレ
フローリング割れ・ササクレ

原因

テープ等粘着性のあるものを長期間貼る。粘着性の強いテープを貼って強引に剥がす。

対策

床面に長期間 粘着性の物を貼らないようにしましょう。弱い粘着性の物でも、長期間貼り続けると粘着成分が塗装を弱めテープを剥がした際に塗膜やフローリング表面を裂いてしまう場合があります。テープなど使用する場合は下記の事に注意しましょう。

  • テープなどの粘着物を長期間貼ったままにしない。(あくまで仮設)
  • テープを貼る場合、マスキングテープを下に貼ってから貼るようにする。
  • ガムテープなどの粘着が強い物は使用しない。
  • 長期間貼る必要のある場合は、コートラインを塗装する。