フローリングの退色・変色

フローリングの退色の原因の多くは、主に外光によるものです。変色の原因には、塗膜の黄変や化学反応、過乾燥や高湿度が考えられます。

フローリングの退色

フローリングの退色した例
フローリングの退色した例

原因

紫外線を多く含んだ外光の影響によって、塗膜が変色するだけでなく、塗膜の劣化をも促進します。その結果、フローリングの保護膜である塗膜を失ってフローリングそのものにも影響が現れます。フローリングは、日に焼けた状態になると色が抜け、白っぽく変色してゆきます。素地が現れて白っぽくなったフローリングは、ごく短い期間で汚れが入り込んでグレーに変色してしまいます。外光を長時間浴びる環境のフローリングは、塗膜と同様にフローリングの劣化をも促進され、退色と劣化が加速度的に進行してゆきます。

対処方法

常に外光が当たることのないよう、遮光対策を施しましょう。
ウレタン塗料で保護膜を形成し、フローリングを保護することも有効です。

フローリングの変色

フローリングが変色した例

原因

この現象は「黄変(おうへん)」と呼ばれ、現場施工の一液型ウレタン塗料の特徴でもあります。通常は、施工後に経年変化とともにゆるやかに黄変していくのですが、塗りだまりや常に外光をうけている場所では、短期間でその部分にだけ現れることがあります。
 現在では1液型ウレタン塗料でも黄変の少ないものも出てきていますし、無黄変と言われる2液型ウレタン塗料が主流になりつつあり、黄変の問題は少なくなってきています。

対処方法

塗装時には、塗りだまりに注意しましょう。
常に外光が当たることのないよう、遮光対策を施しましょう。
無黄変タイプのウレタン塗料で保護膜を形成し、フローリングを保護しましょう。

化学反応による変色

化学反応によるフローリングの変色
化学反応によるフローリングの変色

原因

フローリングは、pHがアルカリ・酸性のどちらかに極端によった場合に、変色を起こします。言い換えると、中性以外の液体には弱い材質であると言えます。
特に長時間、酸やアルカリに接触したフローリングは、単に変色するだけでなく塗膜層やフローリング表層に深刻なダメージを与えます。樹脂ワックスのはく離作業を行う場合には、pHの高いはく離剤を使用するだけでなく水をも大量に使用しますので、ワックスのはく離作業によるフローリングの損傷や変色のトラブルは、未だによく見受けられます。

対処方法

基本的にワックスはく離作業は行わないようにしましょう。
万が一行う場合は、事前の見極めが大変重要になります。ワックスの堆積はどのくらいか、下地の塗膜はどの程度耐性があるのか、摩耗していないか、素地が露出している箇所はないか、化粧単板にクラックが入っていないか、使用するはく離剤はどの程度木に影響があるのか、など多くのことを気に掛ける必要があります。また、実際の作業においても、ワックスを落としきることよりも、床材にダメージを与えないことの方がはるかに重要ですので、はく離剤との接触時間や水の使用量など、多くのことを気に掛ける必要があります。ビニール床などと同じように考えて作業を行うことは厳禁です。
多くの危険を伴うワックスはく離作業を避けるためにも、定期的なメンテナンスにはウレタン塗料を用い、ワックスを塗らないことをお奨めします。

過乾燥・高湿度

原因



フローリングの退色と同じ状況ですが、フローリングが乾燥し過ぎると縮みが発生し、その収縮量に塗膜層がついてゆけずに表面のウレタン塗膜層の剥離が発生する場合があります。

湿

特に雨漏りの放置などで発生します。黒やグレーに汚く変色してしまいます。黒く変色する原因は主にカビであり、放置するとフローリングが腐食します。
フローリングが腐食してしまった例
雨漏りが原因で、フローリングが腐食してしまった例

対処方法

室内環境は、温湿度が常に安定した環境であるにこしたことはありませんが、四季の環境の変化を除いて、乾燥し過ぎたり、湿度が高過ぎたりする状況が、長期間続かないよう配慮しましょう。